整形外科手術 名人のknow-how
肩鎖関節脱臼に対する鏡視下烏口鎖骨靱帯再建術
高瀬 勝己
1
1東京医科大学,運動機能再建外科学茨城寄附講座
pp.1048-1052
発行日 2017年8月1日
Published Date 2017/8/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000000120
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肩鎖関節脱臼は,肩関節外側,特に肩峰外側部を強打する介達外力により発生することが多い。特にスポーツ外傷に多いが,歩行中での転倒や交通事故でも発症しやすい。一方,重症度分類は,鎖骨の変位程度あるいは方向に基づいたRockwood分類1)が一般的に用いられている。脱臼と定義されるtype Ⅲに関しては,手術および保存治療と様々な見解がある。しかし,高度脱臼であるtype Ⅴは手術治療が推奨されている。手術治療は様々な方法が考案され治療成績も報告されてきたが,gold standard な手術法は現在のところないようである。われわれは,鎖骨の上方変位に大きく関与する烏口鎖骨靱帯を解剖学的に再建することが,本来の肩鎖関節機能獲得に重要であると考えてきた。本稿では,われわれが行っている鏡視下烏口鎖骨靱帯再建術を紹介するとともに治療成績および今後の展望について述べる。
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