特集 非典型症例と類似疾患を知ってCommon Diseaseを極める
序文
「臨床放射線」編集委員会
発行日 2023年12月5日
Published Date 2023/12/5
DOI https://doi.org/10.18888/rp.0000002531
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米国においては医師の教育現場で “When you hear hoofbeats, think of horses not zebras” という言葉を使うことがあるそうです。シマウマの生息していない米国では蹄の音を聞いたら,その音からはzebra(シマウマ)ではなく,horse(ウマ)を思い浮かべるのが当然です。同様に日常診療では,いきなりまれな疾患(zebra)を考えるのではなく,まずは頻度の高い疾患(horse)を考えるべきということです。経験の乏しい臨床医がまれな病気を思い浮かべがちなのを戒めた言葉と思われます。画像診断においても日常遭遇する機会の多い疾患を的確に診断することの重要性は言うまでもありません。頻度の高い疾患に精通すれば,日頃の画像診断はかなり円滑に進めることができます。しかし,頻回に出会う疾患であってもその病変の非典型的所見を知らないと正しい診断にたどり着けないことがあります。また,典型的所見であっても類似所見を示す他疾患との鑑別診断を適切に行う必要があります。そこで,Common Diseaseの画像所見を整理し,深く理解するために本臨時増刊号を企画しました。本書は,① 典型的な画像所見を概説,② まれではあるが重要な非典型的所見を解説,③ 類似所見を示す他疾患に言及,という3本柱から構成されています。
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