特集 乳癌の診断・治療
診断
乳癌
DCISの画像診断―超音波検査
渡辺 隆紀
1
1国立病院機構仙台医療センター 乳腺外科
キーワード:
DCIS
,
超音波検査
,
非浸潤性乳管癌
Keyword:
DCIS
,
超音波検査
,
非浸潤性乳管癌
pp.431-442
発行日 2019年4月5日
Published Date 2019/4/5
DOI https://doi.org/10.18888/rp.0000000817
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マンモグラフィ検診の普及によって非浸潤性乳管癌(DCIS)の発見率は増加しており,我が国においてもDCISは乳癌の15%程度を占めるようになった1-3)。乳癌はDCISの段階で発見されれば手術のみで治癒が期待できる。しかし,生涯においてすべてのDCISが浸潤癌に移行するわけではなく,浸潤癌に移行するのはDCISの30%程度との報告もある4-8)。理論的に,生涯にわたってDCISのままであれば治療を行う必要はないので,DCISの治療においては常にover treatmentの可能性を考慮すべきである。ただし,現時点ではどのようなDCISが浸潤癌に移行するのかわからないので,DCISの診断がついたら手術を行わざるをえない。今後,low gradeのDCISに関しては手術を必要としない可能性も指摘されており9),イギリスでLORIS(Surgery versus active monitoring for low-risk DCIS)試験,ヨーロッパではLORD(LOw Risk Dcis)試験,米国ではCOMET(Comparison of Operative to Monitoring and Endocrine Therapy Trial For Low Risk DCIS)試験,そして我が国においてもLORETTA試験がJCOG(Japan Clinical Oncology Group)により開始されている。
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