今月の主題 乳癌と臨床検査
総説
WHO乳腺腫瘍組織分類とわが国の乳癌取扱い規約分類の相違点
菅間 博
1
,
寺戸 雄一
1
,
藤原 正親
1
Hiroshi KAMMA
1
,
Yuichi TERADO
1
,
Masachika FUJIWARA
1
1杏林大学医学部病理学教室
キーワード:
WHO乳腺腫瘍分類
,
乳癌取扱い規約
,
DCIS
,
TDLU
,
癌の前駆病変
Keyword:
WHO乳腺腫瘍分類
,
乳癌取扱い規約
,
DCIS
,
TDLU
,
癌の前駆病変
pp.23-29
発行日 2007年1月15日
Published Date 2007/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542100395
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乳癌は,わが国の女性の腫瘍による死因の第1位である.乳腺腫瘍のWHO分類は,2003年に「病理と遺伝学:乳腺と女性生殖器の腫瘍」の表題に変更され,病理学と遺伝学の進歩を取り入れたものに改訂されている.その後,わが国の乳癌取扱い規約も改定されているが,病理組織分類の枠組みは最新のWHO分類には対応していない.本稿では乳腺腫瘍の分類を,WHO分類(2003年)と乳癌取扱い規約(第15版)分類との主要な相違点を中心に解説した.具体的には,浸潤性乳管癌NOS(非特殊型)と浸潤性乳管癌の亜分類,浸潤性乳癌の分化度と悪性度判定,乳癌の前駆病変,乳管内乳頭状腫瘍,小葉癌の定義とその亜型について説明した.今後,マンモグラフィー検診の普及に伴い早期乳癌患者が増加することが予測される.癌の前駆病変の概念導入など,他の女性臓器腫瘍との整合性のとれた分類が乳腺腫瘍にも望まれる.〔臨床検査 51:23-29,2007〕
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