特集 救急IVR手技詳説 with WEB動画
手技詳説編
●血管IVR―腹部
骨盤骨折
丸橋 孝昭
1
1北里大学病院 救急救命・災害医療センター
キーワード:
非選択的塞栓
,
臀筋壊死
,
cutting法
Keyword:
非選択的塞栓
,
臀筋壊死
,
cutting法
pp.1430-1433
発行日 2018年11月20日
Published Date 2018/11/20
DOI https://doi.org/10.18888/rp.0000000662
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骨盤骨折に対するTAEは,シーツラッピングや創外固定,後腹膜ガーゼパッキングに並ぶ標準的治療の一つである。どの治療法を第一選択とするかの判断は,損傷形態はもちろん,施設ごとの特性やavailability,臨床医の習熟度なども考慮し総合的に決定すべきであるが,特に動脈性出血に対しては極めて有効であることは疑いない。そのため,外傷初期診療ガイドライン(JATECTM)1)では,初期輸液に反応しないショック症例,いわゆるnon-responderの骨盤骨折では,primary surveyの中で蘇生処置の一環としてTAEが位置づけられる。また,多部位の損傷を有した多発外傷の約25%に骨盤骨折を合併している2)。これらは,骨盤骨折に対するTAEのために,我々IVR医に与えられた(期待された)時間は極めて限られていることを意味している。そこで本稿では,合併症なく,できるだけ迅速かつ確実に塞栓することに特化した方法について解説する。
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