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特集 小児画像診断における放射線被ばく低減への取り組み
はじめに―小児の画像検査における放射線被ばくを減らすために
Foreword
相田 典子
1
Noriko Aida
1
1神奈川県立こども医療センター 放射線科
1Department of Radiology Kanagawa Children’s Medical Center
キーワード:
小児画像診断
,
被ばく(曝)低減
,
正当化と最適化
,
安全対策
Keyword:
小児画像診断
,
被ばく(曝)低減
,
正当化と最適化
,
安全対策
pp.747-749
発行日 2018年7月10日
Published Date 2018/7/10
DOI https://doi.org/10.18888/rp.0000000483
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小児は成人より余命が長く,画像検査に伴ういろいろな侵襲に対する感受性が高いため,画像検査の「正当化と最適化」により心がけなければならない。成人より明らかに影響が大きいのは放射線被ばくによる発癌リスクであるが,画像診断による放射線被ばくで検査数,総線量ともに大きいのはCT検査である。過去にはCTのような低線量域の被ばくでは,発癌リスクが増大するという証拠はないとされていたが,近年小児CT検査被ばくにより様々な癌発生リスクが上昇するという論文が次々と発表された1-4)。個々のリスクは決して高くはないが,全体としての発癌リスクの増加が示唆される結果を出している。この事実をもってしても,CTの有用性が揺らぐわけではないが,小児担当医と診断担当医はこの事実を真摯に受け止めて小児CT検査に臨まなければならない。正当化と最適化とは,要約すれば,他の放射線を使わない検査に変えることができず本当に必要なCTのみに厳選し(正当化),検査そのものはできるだけ低い線量で必要な情報が得られるように画像の品質をコントロールして行う(最適化)ことである。
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