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国内放射線腫瘍学講座の実態調査報告―第29回日本放射線腫瘍学会学術大会
澁谷 景子
1
,
野本 由人
2
,
内田 伸恵
3
,
永田 靖
4
,
日本放射線腫瘍学会 がん放射線治療推進委員会
1山口大学大学院医学専攻 放射線腫瘍学講座
2三重大学大学院医学系研究科 放射線腫瘍学講座
3鳥取大学医学部病態解析医学講座 画像診断治療学分野
4広島大学大学院 放射線腫瘍学
キーワード:
放射線腫瘍学講座
,
がんプロフェッショナル養成基盤推進プラン
,
がん放射線治療推進委員会
Keyword:
放射線腫瘍学講座
,
がんプロフェッショナル養成基盤推進プラン
,
がん放射線治療推進委員会
pp.369-373
発行日 2018年3月10日
Published Date 2018/3/10
DOI https://doi.org/10.18888/rp.0000000379
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我が国においては,がんの罹患者数が増加の一途をたどっており,特に高齢者へのがん対策が大きな課題として挙げられてきた。そのなかで,低侵襲かつ個々の病態や臓器に応じて幅広く対応できる放射線治療への期待は今後も益々大きくなることが見込まれる。しかしながら,放射線治療医についてはいまだ需要に供給が追いついていないのが現状である。政府が策定した「がん対策推進基本計画」においては,放射線治療を推進することが,がん治療の重要項目として挙げられており,また,取り組むべき施策として「大学に放射線療法,化学療法,手術療法,緩和ケアなど,がん診療に関して専門的かつ臓器別にとらわれない教育体制(例えば「臨床腫瘍学講座」や「放射線腫瘍学講座」など)を整備するよう努める」と明記されている1)。文部科学省では,2007年より「がんプロフェッショナル養成プラン(第Ⅰ期がんプロ)」をスタートし,続いて2012年からは「がんプロフェッショナル養成基盤推進プラン(第Ⅱ期がんプロ)」(以下,両者を合わせて「がんプロ」)を実施し,がん専門医の養成に重点的な財政支援を行ってきた。それを受けて,日本放射線腫瘍学会では,第2期がんプロが開始された2013年2)と2年後の2015年に,全国のがんプロ参加大学を対象として,放射線治療に関する教育,診療体制に関するアンケート調査を実施し,放射線腫瘍(治療)学を専門とする講座の設置状況や教員数など,放射線治療医育成のための教育環境について情報収集を行ってきた。
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