特集 泌尿器の画像診断と放射線治療
放射線治療
前立腺永久挿入密封小線源治療(低線量率組織内照射)
萬 篤憲
1
,
酢谷 真也
1
,
澤田 将史
1
,
夏目 奈奈
1
,
白石 悠
1
,
戸矢 和仁
1
,
斉藤 史郎
2
1国立病院機構東京医療センター 放射線科
2同 泌尿器科
キーワード:
永久挿入
,
低線量率
,
小線源治療
,
外照射併用
Keyword:
永久挿入
,
低線量率
,
小線源治療
,
外照射併用
pp.1559-1569
発行日 2017年10月20日
Published Date 2017/10/20
DOI https://doi.org/10.18888/rp.0000000171
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前立腺永久挿入密封小線源治療は,会陰からシード線源を前立腺に永久挿入する放射線治療(以下,シード治療)を総称し,多くの国ではIodine—125 が一般的な放射能線源であり,Ir—192を用いる高線量率(high—dose—rate:HDR)と対比し,低線量率(low—dose—rate:LDR)と呼ぶことも多い。シード治療は経直腸超音波装置(TRUS)ガイド下に会陰テンプレートを用いて線源挿入されるようになった1980 年代後半から急速に進歩し,米国では1990 年代から,日本では2003 年から限局前立腺癌の主たる治療選択肢となった。シード治療は極めて短い1,2 時間で治療が完了し,患者の回復がただちに得られ,長期的に良好な成績が臨床的に広く証明されている。低中リスク前立腺癌に対しては手術,外照射と同等の効果がある。毒性や生活の質(QOL)は他の治療に比べ優位な点が示されている。高リスクに対しては外照射併用による線量増加とホルモン治療(ADT)併用により,外照射に比べ治療成績の向上が示されている。この章では,最近の治療基準,外照射併用療法の進歩,内分泌併用療法の今後,最新ガイドライン,有害事象,救済治療について述べる。
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