特集 泌尿器の画像診断と放射線治療
画像診断 膀胱・前立腺・精巣
前立腺・精嚢
玉田 勉
1
,
曽根 照喜
2
,
山本 亮
1
,
伊東 克能
1
1川崎医科大学 放射線医学(画像診断1)
2同 放射線医学(核医学)
キーワード:
前立腺癌
,
マルチパラメトリックMRI
,
PI‒RADS
Keyword:
前立腺癌
,
マルチパラメトリックMRI
,
PI‒RADS
pp.1429-1438
発行日 2017年10月20日
Published Date 2017/10/20
DOI https://doi.org/10.18888/rp.0000000156
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本邦では近年,食生活の洋風化,超高齢社会の到来および前立腺腫瘍抗原(prostate specificantigen:PSA)を用いたスクリーニングの普及などの影響で前立腺癌患者が急激に増加し,2016 年のがん統計予測によると男性の癌罹患数で第一位となっている(92,600 人/年)1)。一方,画像診断に関しては,高PSA 血症例に対する前立腺癌の腫瘍検出,悪性度の評価および局所の病期診断において,前立腺MRI の有用性を示唆する臨床研究が多数報告され,現在日常臨床の多岐にわたる場面で前立腺MRI が活用されている。このような状況を背景に,2012 年には前立腺MRI の撮像法や読影方法の標準化を示した診断基準(prostateimaging reporting and data system:PI—RADS)のversion 1 が,2015 年にはversion 2 が発表され2),前立腺MRI 診断法の国際的な統一が進んでいる。また最近では,PI—RADS の情報をもとにMRI 画像と超音波画像の癒合画像をガイドとした標的生検の臨床応用も進められ,前立腺癌患者のマネージメントにおいて欠かせないツールとなりつつある。本稿では,前立腺癌に対する前立腺マルチパラメトリックMRI の有用性,PI—RADSv2 の概略およびMRI—US 融合画像ガイド下前立腺標的生検(MRI—US fusion—targeted prostatebiopsy)の臨床応用について解説する。
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