特集 腹部の最新画像情報2017
症例
Cystic Pelvic Endosalpingiosisの1 例
横山 幸太
1
,
田嶋 強
1
,
矢野 秀朗
3
,
矢野 哲
4
,
猪狩 亨
2
,
野口 智幸
1
,
志多 由孝
1
,
岡藤 孝史
1
1国立国際医療研究センター病院 放射線診断科
2同 病理診断科
3同 外科
4同 産婦人科
キーワード:
mass‒forming endosalpingiosis
,
multiple cystic lesion
,
peritoneum
,
Mullerian system
Keyword:
mass‒forming endosalpingiosis
,
multiple cystic lesion
,
peritoneum
,
Mullerian system
pp.869-873
発行日 2017年6月10日
Published Date 2017/6/10
DOI https://doi.org/10.18888/rp.0000000031
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卵管内膜症(endosalpingiosis)は組織学的に卵管上皮に似た良性上皮が異所性・非腫瘍性に増殖した状態と定義され,子宮・卵管・卵巣・腹膜・大網・骨盤・傍大動脈リンパ節などに生じる良性病変である1)。通常は無症状で経過し,報告例は手術検体から顕微鏡的に偶発的に指摘される症例がほとんどであり,腫瘤形成を伴うことはまれである。画像所見の報告は極めて少なく,診断の決め手となる典型的画像所見は確立されておらず,骨盤部に発生する他の嚢胞性疾患との鑑別は非常に困難である。今回,増大傾向を示し,切除に至った卵管内膜症の1 例を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する。
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