Japanese
English
臨床経験
Membranous lipodystrophyの1例
A Cace of Membranous Lipodystrophy
佐藤 啓三
1
,
上畑 元宏
1
,
竹内 一喜
1
,
藤田 久夫
1
,
西村 貞男
2
Keizo Sato
1
1兵庫県立加古川病院整形外科
2松本病院整形外科
1Department of Orthopedic Surgery, Hyogo Prefectural Kakogawa Hospital
キーワード:
membranous lipodystrophy
,
multiple cystic lesion
,
presenile dementia
Keyword:
membranous lipodystrophy
,
multiple cystic lesion
,
presenile dementia
pp.955-959
発行日 1986年8月25日
Published Date 1986/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408907469
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抄録:Membranous lipodystrophyは,X線像で四肢長管骨に骨萎縮と多発性骨透亮像を示し,繰り返す病的骨折と,進行性の精神神経症状を呈することを特徴としている.今回われわれは,本症の1例を経験し,骨生検を行った.症例は33歳女性で,両股,両足関節痛を主訴に来院,多幸と知能低下,四肢に特徴的X線所見を認めた.骨生検にて,病巣骨髄は脂肪様組織で埋まり,その病理組織標本より膜様構造物を認めmembranous lipodystrophyと診断された.本症は,常染色体劣性遺伝による脂質代謝異常が病因とされるが,詳細は不明である.病的骨折に対し病巣掻爬・骨移植や外固定は効果的であるが,確立された治療法はない.精神荒廃に伴い,注意深い経過観察と全身管理が必要である.
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