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手術台でのpelvic incidenceの変化
Pelvic incidence change on the operating table
大谷 隼一
1
,
河村 直洋
1
,
高澤 英嗣
1
,
大西 惟貴
1
,
大友 望
1
,
宮原 潤也
1
,
早川 周良
1
,
久野木 順一
1
J. Ohya
1
,
N. Kawamura
1
,
H. Takasawa
1
,
Y. Onishi
1
,
N. Otomo
1
,
J. Miyahara
1
,
T. Hayakawa
1
,
J. Kunogi
1
1日本赤十字社医療センター整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Japanese Red Cross Medical Center, Tokyo
キーワード:
pelvic incidence
,
lumbar spine surgery
Keyword:
pelvic incidence
,
lumbar spine surgery
pp.1017-1020
発行日 2022年8月1日
Published Date 2022/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei73_1017
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【要 旨】
目 的:多椎間脊椎固定術後にpelvic incidence(PI)が変化するという報告は散見されるが,手術台の上でのPI変化を調査した研究はなかった.本研究では術前と手術台でのPI変化を計測し,この現象と関係する患者背景を調査した.
対象および方法:術前全脊椎単純X線像と手術台で骨盤側面単純X線像を撮像した,脊椎後方手術を受けた患者を対象とした.手術台で10°以上PIが変化した患者を,PI-change on the operating table(PICOT)群とし,変化しなかった患者を対照群とした.患者背景や術前画像パラメータを2群間で比較した.
結 果:128例のうち16例(12.5%)がPICOT群であった.対照群と比較して,術前lumbar lordosis(LL)とPI-LLがPICOT群でわるかった[LL:20.8±16.6°vs. 30.6±16.2°(p=0.0251),PI-LL:33.9±19.0°vs. 17.3±14.8°(p<0.0001)].固定術を受けた患者が対照群と比較してPICOT群で多かったが有意差はなかった[62.5% vs. 44.6%(p=0.1799)].
結 論:脊椎後方手術を受けた患者のなかに,手術台でPIが減少する患者がいた.PIが減少する患者には術前のアライメント不良例が多かった.
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