手術症例報告
創部し開後に筋膜の直接縫合が不可能な症例に対し,component separation法と腹直筋鞘前葉反転術を併用して筋膜閉鎖を行った1例
北林 大暉
1
,
﨑村 祐介
1
,
齋藤 裕人
1
,
山本 大輔
1
,
木下 淳
1
,
稲木 紀幸
1
1金沢大学附属病院消化管外科
キーワード:
創部し開
,
component separation法
,
腹直筋鞘前葉反転術
Keyword:
創部し開
,
component separation法
,
腹直筋鞘前葉反転術
pp.133-138
発行日 2026年1月15日
Published Date 2026/1/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000004798
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腹部手術における創部し開の頻度は0.5から3.4%とされており,医療費の増加,病院滞在日数の延長,死亡率の増加を引き起こす1)。その原因は患者因子として高齢,男性,緊急手術,術式,咳嗽,喫煙,肥満,糖尿病,低栄養,創感染,長期人工呼吸器の使用,ステロイドの長期使用が挙げられ,手術因子として縫合法がある2-4)。不適切な縫合は創し開を引き起こし,腹腔内臓器が脱出し緊急手術の適応となるが,適切な術式は症例ごとに異なり,感染の有無や腹壁の状態を正確に把握する必要がある5)。腹壁の緊張が強く直接縫合できない場合,腹直筋鞘前葉減張切開法により直接縫合が可能となる場合がある。しかし,それでも直接縫合が不可能な場合はcomponent separation法や腹直筋鞘前葉反転術を検討する必要がある6-10)。今回,われわれは人工肛門閉鎖時に腹直筋鞘前葉減張切開法を用いて閉創を行ったが,翌日に腹直筋が離開して腸管脱出した症例に対し,対側からの腹直筋鞘前葉反転術を用い,筋膜閉鎖を行った症例を経験したので報告する。

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