特集 困難症例に対する消化器内視鏡外科手術(小腸・大腸)
内視鏡下直腸癌手術における癒着剥離のコツ
白下 英史
1
,
猪股 雅史
2
,
赤木 智徳
2
1大分大学医学部高度医療人育成講座
2大分大学医学部消化器・小児外科学講座
キーワード:
直腸癌
,
癒着剝離
,
腹腔鏡手術
Keyword:
直腸癌
,
癒着剝離
,
腹腔鏡手術
pp.1889-1894
発行日 2025年12月15日
Published Date 2025/12/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000004747
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近年,直腸癌に対する内視鏡外科手術は広く普及した。本邦においては9割以上の症例に対してロボット支援手術を含む内視鏡外科手術が行われている1)。しかし,実臨床においては開腹歴や,炎症性疾患,放射線治療後といった背景を有する症例も少なくなく,その場合,骨盤内や腹腔内に形成された癒着が手術の大きな障害となる。癒着剥離の難易度は症例ごとに大きく異なり,適切な層の同定が困難となることで,出血や腸管損傷だけでなく,尿管損傷などの重篤な合併症のリスクが増大する。したがって,癒着剥離は,内視鏡下直腸癌手術の安全性と根治性を左右する重要なステップの1つといえる。

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