特集 大腸外科手術におけるトラブルシューティング
Ⅰ.術中出血 6)腹腔鏡下直腸癌手術における術中出血の予防と対処法
石井 良幸
1
,
落合 大樹
2
,
迫 裕之
2
,
渡邊 昌彦
2
1北里大学北里研究所病院一般・消化器外科/北里大学医学部下部消化管外科
2北里大学北里研究所病院一般・消化器外科
キーワード:
腹腔鏡手術
,
直腸癌
,
術中出血
Keyword:
腹腔鏡手術
,
直腸癌
,
術中出血
pp.1113-1120
発行日 2020年7月15日
Published Date 2020/7/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000001776
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
直腸癌は欧米のみならず,わが国においても罹患数が増加し,癌死因の重要な要因の1つである。しかし,直腸癌に対する確立された治療はいまだ存在せず,世界中でさまざまな集学的治療が行われているのが現状である。外科的切除は依然として治療の中心的役割を担っており,それゆえ根治的で安全かつ低侵襲な機能温存を考慮した手術が望まれている。低侵襲である腹腔鏡手術の進歩に伴い直腸癌に対しても本術式は普及しつつあるが,直腸は骨盤腔という限られた空間にあり,かつ重要な臓器が隣接し血管や神経などの解剖も複雑であるため手術の難度が高い。したがって,結腸癌に比較して開腹移行率や周術期合併症の割合は高く1),その安全性や有用性に関する報告も少ない。
Copyright © 2020, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.