二期分割食道切除・再建術が奏効した二次性大動脈食道瘻の2例

大動脈食道瘻（aortoesophageal fistula；AEF）は何らかの原因により後天的に大動脈と食道の間に瘻孔が形成されるまれな病態であるが，出血と感染に対する迅速な治療が必要とされるものの治療法が確立していないためその予後はきわめて不良である。AEFは食道疾患や大動脈疾患に伴う一次性（原発性）と大動脈疾患治療後に発生する二次性に分類されるが，近年では胸部大動脈瘤手術や胸部大動脈ステント内挿術（thoracic endovasucular aortic repair；TEVAR）の増加に伴い二次性AEFの報告が増加している。