Japanese
English
臨床報告
症状を有した成人腸回転異常症に対して腹腔鏡下Ladd手術を施行した1例
The laparoscopic Ladd procedure for adult-onset intestinal malrotation:a case report
中田 泰幸
1
,
近藤 英介
1
,
西谷 慶
1
,
伊藤 勝彦
1
,
横山 航也
1
,
清水 善明
1
Yasuyuki NAKATA
1
1成田赤十字病院外科
キーワード:
腹腔鏡
,
Ladd手術
,
腸回転異常症
,
成人
Keyword:
腹腔鏡
,
Ladd手術
,
腸回転異常症
,
成人
pp.117-122
発行日 2020年1月20日
Published Date 2020/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407212823
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要旨
症例は42歳,女性.幼少期よりたびたび腹痛に悩まされていた.腹痛のため当院初診となった.入院のうえ,腹痛の精査を行ったところ,腹部造影CTにて,十二指腸が上腸間膜動脈と大動脈の間を通過せず,中腸近位部(十二指腸・小腸)が腹腔の右に位置しており,中腸回転異常を認めた.腸管の血流障害はなく,絞扼性イレウスの所見は認めなかったことから,待機的に腹腔鏡下Ladd手術と予防的虫垂切除術を行った.術後3年経過したが,症状の再燃なく経過されている.成人発症の腸回転異常症は稀であるが,原因不明の腹痛を繰り返す症例には,腸回転異常を念頭において精査を行い,腸回転異常症と診断した場合は,腹腔鏡手術を含めた手術治療を考慮する必要があると思われた.
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