特集 巨大後腹膜腫瘍に対する治療戦略と手術
4.後腹膜腫瘍に対する外科治療戦略 1)消化器外科医(とくに肝胆膵外科医)の立場から
奈良 聡
1
,
水井 崇浩
1
,
宮田 明典
1
,
海野 良介
1
,
江崎 稔
1
1国立がん研究センター中央病院肝胆膵外科
キーワード:
後腹膜腫瘍
,
肝胆膵外科
,
手術
Keyword:
後腹膜腫瘍
,
肝胆膵外科
,
手術
pp.289-297
発行日 2025年3月15日
Published Date 2025/3/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000004305
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後腹膜腫瘍は腹腔内深部に位置するため,初期段階では疼痛・閉塞症状などの自覚症状が乏しく,体表からの観察も難しいという特徴がある。このため診断時には腫瘍が巨大化し,他臓器や主要脈管を強く圧排していることが多い。ただし,巨大な腫瘍であっても浸潤傾向は比較的少なく,周囲臓器や血管への圧排が主であるため,臓器を温存しつつ切除可能な場合もあり,これが一般的な消化器癌とは異なる点である。

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