特集 ロボット支援大腸癌手術の術野展開—エキスパートに学ぶ手術の極意
骨盤深部での血管合併切除を要するロボット支援直腸癌手術における術野展開のコツ
横田 満
1
1倉敷中央病院外科
キーワード:
ロボット支援手術
,
側方郭清
,
血管合併切除
Keyword:
ロボット支援手術
,
側方郭清
,
血管合併切除
pp.187-198
発行日 2025年2月15日
Published Date 2025/2/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000004269
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
ロボット支援手術の普及に伴い,側方リンパ節郭清や骨盤内の他臓器合併切除といった高難度手術もロボット支援下に行われることが増えてきている。このことは,ロボットの高解像度の3D視野のもと,その特性である多関節機能やモーションスケーリング機能による精緻な操作性にメリットがあるからに他ならない。直腸癌の側方リンパ節転移はとくにNo.263D領域に好発することが報告されており,側方リンパ節郭清においては骨盤深部のこの領域を取り残しが無いように郭清することが求められる1)。また,他臓器合併切除においても骨盤内でのロボットの高い操作性が出血量軽減やR0切除率の向上に寄与する可能性が報告されている2-3)。これらのことはロボット支援手術が骨盤内の限られたスペースにおける複雑な操作に適していることを意味しているかもしれない。よって,骨盤深部で血管合併切除を行う場合にもロボット支援手術は有用となる可能性がある。

Copyright © 2025, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.