手術手技
血流を重視した亜全胃胃管を用いた自動縫合器による後縦隔経路頸部食道胃管三角吻合
鶴 安浩
1
,
能城 浩和
1
1佐賀大学医学部一般・消化器外科
キーワード:
食道癌
,
胃管再建
,
三角吻合
Keyword:
食道癌
,
胃管再建
,
三角吻合
pp.831-837
発行日 2024年4月15日
Published Date 2024/4/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000003862
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食道癌切除後の消化管再建術は歴史的にも容易なことではなく,世界初の胸部食道癌切除例としてよく知られる1913年のTrekによる手術では頸部食道瘻と胃瘻をゴムチューブで連結した代用食道で食事摂取を行っていた。20世紀中頃にようやく中山恒明らが消化管再建を胸骨前経路胃管再建で行うことが安全であるとして,わが国ではその方法が広く行われるようになった。再建に伴う合併症として縫合不全,再建臓器壊死,吻合部狭窄は重篤な経過になることがあるばかりでなく,術後も患者の栄養状態や生活の質に大きく関わるので留意すべき問題である。現在,胸部食道癌術後の再建方法に関して,再建臓器,再建経路,吻合部位,吻合法などによりさまざまな方法が考案されており1-3),各施設で患者状況,合併症や術後の生活の質を重要視した再建法が選択されているのが現状である。
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