特集 必携 消化器・一般外科医のための外科解剖アトラス
Ⅲ 大腸 2 右側結腸癌手術に必要な局所解剖
愛洲 尚哉
1
,
濵畑 圭佑
1
,
赤﨑 卓之
1
,
佐原 くるみ
1
,
棟近 太郎
1
,
長谷川 傑
1
1福岡大学消化器外科
キーワード:
CME
,
CVL
,
CRM
Keyword:
CME
,
CVL
,
CRM
pp.561-568
発行日 2024年3月31日
Published Date 2024/3/31
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000003812
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わが国の結腸癌手術は,腫瘍近傍の解剖学的な膜構造とリンパ流に基づき,解剖学的剥離層に沿った腸管の剥離授動と,腸管軸方向の壁在かつ腸管傍リンパ節から中枢の主リンパ節を郭清するD3郭清(早期癌では中間リンパ節までを郭清するD2郭清)を標準手技としている。欧州でもCME(complete mesocolic excision)とCVL(central vascular ligation)の概念が提唱され,従来法と比較し予後が改善することが示された1, 2)。いずれにおいても腫瘍の関連する領域のリンパ流,リンパ節を含む腸間膜を完全切除するという点で一致している。また,直腸癌手術におけるCRM(circumferential resection margin)と同様に結腸癌手術においてもその重要性が指摘されている3)。
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