特集 外科医のための臨床研究入門
外科領域における臨床研究の考え方─なぜあなたは研究するのか?
本多 通孝
1
1福島県立医科大学低侵襲腫瘍制御学講座
キーワード:
臨床外科
,
臨床研究
,
リサーチマインド
Keyword:
臨床外科
,
臨床研究
,
リサーチマインド
pp.143-148
発行日 2024年2月15日
Published Date 2024/2/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000003712
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「論文を書きなさい」と言われた経験をもつ外科医は多いだろう。当然ながら,論文を書くためには研究をしなければならない。なぜ研究をして論文を書かねばならないかと問われれば,小は専門医・学位取得といった個人的キャリアのため,中は病院や医局の業績のため,そして大は医学発展・人類の幸福のためと,幅広い動機付けがあり,総論としてこの大義名分に異を唱える者はいない。しかし,いざ臨床現場で研究が実践できるかというと容易ではない。これまで,臨床研究に関する著書のなかで,「自施設の診療からデータを集めて振り返り,明日からの臨床に活かすことこそが臨床医の仕事であり,そのために適切な分析手法を学ぶことが臨床能力を高める効果的な手段である」などと述べてきた1, 2)。これは,主として個人的キャリアという視点での話であり,研究の本質はもっと深いところにあるだろう。
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