総特集 外科医の働き方改革を考える
◆テーマ2:働き方改革実現に向けた具体的な取り組み 3.外科医の労働時間管理
岡村 亮輔
1
,
小濵 和貴
1
1京都大学消化管外科
キーワード:
働き方改革
,
時間管理
,
外科医
Keyword:
働き方改革
,
時間管理
,
外科医
pp.37-43
発行日 2024年1月15日
Published Date 2024/1/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000003669
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すでに各学会の主要演題で取り上げられ,ここ数年間にわたって議論を続けてきた“医師に対する時間外・休日労働の上限規制”がいよいよ今春に開始される。わが国に固有の労働状況により,戦後と言わず歴史上初めて,国家主導で長時間労働者の管理が行われる。多くの施設で現行の診療状況に大きな見直しが求められているが,現場からはいまだに制度の本質を見誤った発言も聞かれる。この制度の目的は,医師の健康状態とワーク・ライフバランス(以下,WLB)を改善し,「医療の質・安全を維持すること」にある。労働時間の過少申告といった対応は医師の健康への配慮不足であり,強いては患者アウトカムに影響し兼ねない。また,監督責任から病院側への罰則・信頼低下につながる可能性があり,患者・医師・病院のいずれにも重大な損失となり得る。
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