総特集 外科医の働き方改革を考える
◆テーマ2:働き方改革実現に向けた具体的な取り組み 6.特定行為研修修了看護師 3)臨床工学技士スコープオペレーター業務導入の実際
工藤 道弘
1
,
西本 光輝
2
,
福田 賢一郎
3
,
清水 義博
3
,
岡崎 哲也
2
,
大辻 英吾
4
1京都岡本記念病院消化器外科/京都府立医科大学大学院医学研究科消化器外科学
2京都岡本記念病院臨床工学部
3京都岡本記念病院消化器外科
4京都府立医科大学大学院医学研究科消化器外科学
キーワード:
働き方改革
,
臨床工学技士
,
スコープオペレーター
Keyword:
働き方改革
,
臨床工学技士
,
スコープオペレーター
pp.71-76
発行日 2024年1月15日
Published Date 2024/1/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000003674
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わが国における医師の長時間労働は問題視されており,改革の必要性がこれまで議論されてきた。2019年に行われた医師勤務実態調査では過労死基準とされる年960時間以上の労働時間となる医師が,37.7%を占め,1,860時間以上の医師が8.5%も存在するとの調査結果であった1)。この1,860時間以上の医師の専門科の内訳は1位:救急科,2位:外科,3位:脳神経外科であり,比較的緊急対応が多い科が多く含まれていた。このような現状を改革するため,2021年5月28日,医師の働き方改革関連法「良質かつ適切な医療を効率的に提供する体制の確保を推進するための医療法等の一部を改正する法律」が公布された2)。この法案では,時間外労働時間を通常の診療従事医師では年960時間までとし,2024年4月より順次施行されることとなった。さらにこれを実現する方法としてこの法案のなかではタスクシフト / シェアの推進が盛り込まれ,さまざまな医療関係職種の業務範囲の見直しが行われることになった。当院では,医師の時間外業務を削減するためタスクシフト / シェアを推進し,そのなかの1つとして臨床工学技士(clinical engineer;CE)によるスコープオペレーター業務を,一早く導入し実践してきた。本稿では,その導入の実際と意義,さらにはCEの視点からも含め報告する。
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