特集 イラストで見る消化器癌手術アトラス
Ⅰ 外科解剖 5 骨盤内臓全摘術に必要な骨盤解剖
富永 哲郎
1
,
野中 隆
1
,
永安 武
1
1長崎大学大学院腫瘍外科
キーワード:
骨盤内臓全摘術
,
骨盤解剖
Keyword:
骨盤内臓全摘術
,
骨盤解剖
pp.679-686
発行日 2023年5月31日
Published Date 2023/5/31
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000003317
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骨盤内臓全摘術(pelvic exenteration;PE)は,原発性の局所進行直腸癌または直腸癌局所再発が周囲臓器(前立腺・膀胱・腟・子宮など)に浸潤する場合に施行されることが多い。近年は,進行大腸癌に対する集学的治療の進歩により,局所R0を目指し,PEを施行する機会が増加している。PEには,直腸・生殖器・膀胱を一括に切除する全骨盤内臓全摘術(total pelvic exenteration;TPE)と,女性において直腸と子宮・腟・卵巣を合併切除し膀胱を温存する後方骨盤内臓全摘術(posterior pelvic exenteration;PPE),そして直腸を温存し,膀胱・子宮・腟・卵巣を切除する前方骨盤内臓全摘術(anterior pelvic exenteration)がある。一般的にPEは尿路変更を必要とするTPEを示すことが多いため,本稿ではTPEを意識した解剖について記載する。
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