特集 閉塞性大腸癌の治療戦略と手術
5.閉塞性大腸癌に対する根治切除
的場 周一郎
1
,
橋口 陽二郎
2
1虎の門病院消化器外科
2大森赤十字病院外科
pp.567-567
発行日 2023年5月15日
Published Date 2023/5/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000003277
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閉塞性大腸癌の治療は,腸閉塞の解除と腫瘍切除という2 つの手術手技が必要である。一期的切除を行うと周術期合併症や死亡率が高く,安全性を優先する場合は二期的手術が選択される。従来から一期的切除あるいは二期的切除は議論されていたが,近年,大腸ステントを用いたBTS という戦略が広く行われるようになった。BTS と緊急手術を比較した報告では,BTS 群では人工肛門造設率が低く,腹腔鏡手術率が高く,従来から危惧されていた局所再発の悪化も認めず,消化器内視鏡技術の高いわが国での多施設共同研究では,ステント留置率は99%,臨床的成功率92.8%と非常に良好な成績であり,62%に腹腔鏡手術が行われ,長期成績も良好であった。わが国で一期的手術を行う場合は,BTS などによる腸管減圧の手段を講じるべきである。
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