特集 肥満症・糖尿病患者に対する減量・代謝改善手術
減量・代謝改善手術の現状と展望
太田 正之
1
,
遠藤 裕一
2
,
川崎 貴秀
2
,
平下 禎二郎
2
,
増田 崇
2
,
猪股 雅史
2
1大分大学グローカル感染症研究センター
2大分大学消化器・小児外科
キーワード:
減量・代謝改善手術
,
腹腔鏡下スリーブ状胃切除術
,
腹腔鏡下スリーブバイパス術
Keyword:
減量・代謝改善手術
,
腹腔鏡下スリーブ状胃切除術
,
腹腔鏡下スリーブバイパス術
pp.405-412
発行日 2023年4月15日
Published Date 2023/4/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000003231
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欧米ではBMI≧35 kg / m2の高度肥満症を対象にしたbariatric surgery(肥満外科手術,減量手術)が1950年代から行われてきた。1990年代になりRoux-en-Y胃バイパス術(Roux-en-Y gastric bypass;RYGB)後に体重が減少する前に糖尿病が改善することが報告され,2000年代になりインクレチンなどの消化管ホルモンの変化が報告され,metabolic surgery(メタボリックサージェリー,糖尿病外科手術,代謝外科手術)という言葉が使用されるようになった。当初,metabolic surgeryは糖尿病治療目的のバイパス手術を指す言葉として使用されていたが,最近ではBMI<35 kg / m2の肥満に関連する合併疾患治療目的の手術を指す言葉として使われている。2021年3月に3学会合同委員会の「日本人の肥満2型糖尿病患者に対する減量・代謝改善手術に関するコンセンサスステートメント」が発表され,metabolic surgeryは糖尿病以外の代謝疾患にも効果があり減量効果もあることから,「減量・代謝改善手術」という新たな訳語が作成された1)。また,本コンセンサスステートメントのなかでは,「減量・代謝改善手術」はbariatric / metabolic surgeryを指す言葉としても使用されている。
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