特集 肛門疾患手術入門─痔核・痔瘻・裂肛
Ⅲ.痔瘻 4)再発痔瘻に対する手術
下島 裕寛
1
,
松島 小百合
1
,
酒井 悠
1
,
紅谷 鮎美
1
,
宮島 伸宜
1
,
松島 誠
1
1松島病院大腸肛門病センター
キーワード:
再発痔瘻
,
痔瘻開放術
,
tight seton法
Keyword:
再発痔瘻
,
痔瘻開放術
,
tight seton法
pp.1965-1969
発行日 2022年12月15日
Published Date 2022/12/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000003079
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痔瘻はEisenhammerやParksが提唱したcrypt-glandular infection theoryに基づく疾患で1,2),痔瘻根治手術とは痔瘻を形成する一次口,原発巣,二次口までの瘻管を処理することが原則である。最も一般的に行われている術式である瘻管開放術では根治性は高いが,術後の肛門機能障害の危険性がある。そこで,痔瘻の進展様式によっては肛門括約筋および肛門機能温存術などを行うが,括約筋への侵襲を避けると再発のリスクは高くなる可能性がある3-5)。繰り返す膿瘍形成などの炎症性変化は肛門機能低下につながるので,再発痔瘻では初回手術以上に根治性の高い手術が求められるが,瘢痕化や炎症の波及などの要因で初回手術よりも困難な手術になる場合が多い。
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