増刊号 こんなときの対応法がわかる 耳鼻咽喉科手術ガイド
Ⅴ.頸部の手術
頸部郭清術:supraomohyoid neck dissection
門田 伸也
1
1四国がんセンター頭頸科
pp.273-279
発行日 2015年4月30日
Published Date 2015/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411200629
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症例呈示
86歳,女性の舌癌症例である。原病巣は右舌縁に3.5×2cmの浸潤を伴う病変であった(画像上はT3であるが茎突舌筋への浸潤の可能性は否定できないのでR/O T4)。頸部についてはレベルⅡaに10.7×6.6×12.9mmのリンパ節を認めた(図1a)。PET(図1b)では淡い集積を認めたが,頸部超音波検査にてリンパ門の構造異常や占拠病変を認めず,転移陰性と判断した(図1c)。遠隔転移所見はなくT3N0M0 Stage Ⅲとした。高齢ではあるが,基礎疾患がなく病状認識および治療への意欲もあったので,腹直筋皮弁による再建を伴う根治切除術の適応とした。
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