手術症例報告
右肺静脈破格を術前診断し,安全に胸腔鏡下食道切除術を施行し得た2例
市川 寛
1
,
加納 陽介
1
,
羽入 隆晃
1
,
根本 万理子
1
,
石川 卓
1
,
若井 俊文
1
1新潟大学大学院医歯学総合研究科消化器・一般外科学分野
キーワード:
食道癌・食道胃接合部癌
,
右上肺静脈
,
胸腔鏡下食道切除術
Keyword:
食道癌・食道胃接合部癌
,
右上肺静脈
,
胸腔鏡下食道切除術
pp.1727-1732
発行日 2021年10月15日
Published Date 2021/10/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000002465
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食道癌に対する根治的な食道切除の際に,気管分岐部・主気管支下リンパ節郭清は標準的に行われている。通常,右肺上葉の肺静脈区域枝は上肺静脈に合流し右気管支腹側から左房へ流入する。まれではあるが,上葉のV2や下葉のV6が右気管支背側を通過して右上肺静脈や左房などへ流入する破格を認めることがあり,気管分岐部・主気管支下リンパ節郭清の際に予期せぬ大出血の原因となる可能性がある。われわれは術前のCTで右肺静脈の破格を認めた食道癌・食道胃接合部癌に対して,胸腔鏡下食道切除術を施行した症例を経験したため報告する。
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