特集 消化器・一般外科におけるCommon Diseaseの手術 エルステから高難度まで
I 虫垂炎手術 3 虫垂炎の鑑別と治療方針
金子 学
1
,
室野 浩司
1
,
佐々木 和人
1
,
川合 一茂
1
,
野澤 宏彰
1
,
石原 聡一郎
1
1東京大学腫瘍外科
キーワード:
虫垂炎
,
鑑別
,
治療方針
Keyword:
虫垂炎
,
鑑別
,
治療方針
pp.393-400
発行日 2021年4月1日
Published Date 2021/4/1
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000002136
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虫垂炎は最も頻度の高い急性腹症および腹部緊急手術の原因となる疾患であり,生涯罹患率は男性8.6%,女性6.9%である1)。10代から30代に発症することが多いが,幼児から高齢者まで幅広い年齢層で発症する。近年,画像診断技術の向上は目覚ましく,治療面でも新たな知見が加わり,虫垂炎の診療は変わりつつある。欧州で行われたランダム化比較試験(randomized controlled trial;RCT)で,非穿孔性虫垂炎に対する抗菌薬のみによる保存的治療の有効性が示唆され2,3),腹腔鏡下虫垂切除術の手術件数は増加し,膿瘍が限局した穿孔性虫垂炎では保存的治療後に待機的手術を行うinterval appendectomyも行われるようになった。
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