手術手技
食道癌における新規食道胃管再建法“i三角吻合”
柴尾 和徳
1
,
井上 譲
1
,
沢津橋 祐典
1
,
田上 貴之
1
,
佐藤 永洋
1
,
平田 敬治
1
1産業医科大学第1外科
キーワード:
食道亜全摘術
,
頸部吻合
,
後縦隔再建
Keyword:
食道亜全摘術
,
頸部吻合
,
後縦隔再建
pp.1355-1362
発行日 2020年8月15日
Published Date 2020/8/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000001830
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食道切除後の再建術はさまざまな消化管吻合のなかでも縫合不全・吻合部狭窄の割合が高く,時に重篤な合併症を引き起こすことがある。そのため,再建臓器および再建経路の選択や吻合法の選択については各施設でさまざまな取り組みと工夫がなされている。食道癌における胃管を用いた再建術は日本食道学会による全国調査1)によると食道亜全摘術症例の85%に施行されており,胃切除術後もしくは同時性胃癌の併存により胃を再建臓器として用いることができない場合を除いては,第一選択とされる再建法である。使用する胃管は全胃,亜全胃,細径胃管と各施設で異なり,再建経路の選択も後縦隔経路,胸壁前経路,胸骨後経路とさまざまであるが,われわれは最も長い胃管長を確保可能な細径胃管を作製し,生理的な後縦隔経路を用いて頸部で再建している。
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