特集 大腸外科手術におけるトラブルシューティング
Ⅰ.術中出血 4)腹腔鏡下左側結腸癌手術における術中出血の予防と対処法
日野 仁嗣
1
,
塩見 明生
1
1静岡県立静岡がんセンター大腸外科
キーワード:
出血
,
大腸癌
,
腹腔鏡手術
Keyword:
出血
,
大腸癌
,
腹腔鏡手術
pp.1097-1104
発行日 2020年7月15日
Published Date 2020/7/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000001774
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近年,海外およびわが国の大規模ランダム化比較試験により,大腸癌に対する腹腔鏡手術の治療成績が示されてきた。多くの報告で,結腸癌や直腸S状部癌に対する腹腔鏡手術は,開腹手術と比較して,安全性,腫瘍学的成績が同等であるとされている。腹腔鏡手術の安全性を担保するうえで最も重要な点の1つとして,術中出血への対応が挙げられる。大量の出血は循環動態を維持するうえで非常に危険であることはもちろんのこと,たとえ少量の出血であっても,微細解剖および剥離層の認識が難しくなり,手術の質の低下につながる。開腹手術では容易に制御できるような出血でも,腹腔鏡手術では対応が困難な場合もあり,腹腔鏡下での出血への対応について習熟しておくことが不可欠である。
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