手術手技
肝門部領域胆管癌に対する肝離断先行・肝内Glisson到達法を用いた肝左三区域切除,尾状葉切除,肝動脈・門脈切除再建術─liver transection first approach
小木曾 聡
1
,
田浦 康二朗
1
,
瀬尾 智
1
,
石井 隆道
1
,
福光 剣
1
,
上本 伸二
1
1京都大学肝胆膵・移植外科
キーワード:
肝門部領域胆管癌
,
左三区域切除
,
血行再建
Keyword:
肝門部領域胆管癌
,
左三区域切除
,
血行再建
pp.795-801
発行日 2020年4月15日
Published Date 2020/4/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000001690
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左右二次分枝まで進展が予想される左側優位の肝門部領域胆管癌に対して,あるいは右三区域切除でも切除は可能だが予定残肝容量が不十分であると予想される場合には,リンパ節郭清を伴う左三区域切除,尾状葉切除,および肝外胆管切除が適応される。また,そのような腫瘍では,門脈分岐部への浸潤とともに,右肝動脈が上部肝管と接していることから右肝動脈への浸潤が高頻度にみられ,左三区域切除の約半数に門脈あるいは肝動脈の合併切除・再建が必要である1)。総肝管背側の右肝動脈・門脈浸潤にとどまる症例では,切除再建も比較的容易であるが,血管浸潤が動脈・門脈の前区域枝に及ぶような症例では,再建すべき動脈や門脈は細くまたグラフトが必要になることも多いため技術的難度が高くなる。動脈・門脈の後区域枝に浸潤が及ぶ場合でも,残肝側の再建血管が確保できるのであれば切除は可能であるが,肝門部からこの操作を行うのは困難なことが多い。
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