特集 高度進行消化器癌に対する手術
Ⅲ 肝・胆・膵 6 胆管腫瘍栓を伴う進行肝細胞癌に対する肝切除
加藤 正人
1
,
青木 琢
1
,
窪田 敬一
1
1獨協医科大学第二外科
キーワード:
胆管腫瘍栓
,
肝切除
Keyword:
胆管腫瘍栓
,
肝切除
pp.549-554
発行日 2019年3月31日
Published Date 2019/3/31
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000001143
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胆管腫瘍栓を伴う肝細胞癌(hepatocellular carcinoma;HCC)は比較的まれであるが,しばしば閉塞性黄疸や胆道出血をきたすことがある。第19回全国原発性肝癌追跡調査報告によるとその頻度は2.9%で,総肝管より中枢への進展は0.3%と報告されている1)。HCCの胆管腫瘍栓は胆管上皮への浸潤は乏しいとされ,胆管より腫瘍栓を摘出しても胆管への再発は認めないとの報告もあり,胆管腫瘍栓を伴うHCCに対する手術術式として,胆管断端からの腫瘍摘出術が行われてきた2-5)。総胆管切除・胆管空腸吻合を施行した場合,残肝再発に対するTACE(transcatheter arterial chemoembolization),RFA(radiofraquency ablation)の際,肝膿瘍を形成しやすいともいわれており6,7),可能な限り胆管切除断端からの腫瘍摘出術が推奨されている。
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