手術手技
縦隔鏡・胸腔鏡併用アプローチ(MTCS)による左上縦隔リンパ節郭清術
福垣 篤
1
,
金城 洋介
1
,
佐藤 誠二
1
1国立病院機構姫路医療センター外科
キーワード:
食道切除術
,
左上縦隔リンパ節郭清
,
mediastinoscopy-thoracoscopy combined surgery(MTCS)
Keyword:
食道切除術
,
左上縦隔リンパ節郭清
,
mediastinoscopy-thoracoscopy combined surgery(MTCS)
pp.343-348
発行日 2019年3月15日
Published Date 2019/3/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000001099
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腹臥位食道手術はCuschieriが報告し1),その後,わが国では根治性の向上と合併症の軽減の両立を目指し,食道癌に対する胸腔鏡下腹臥位食道手術が普及している2-4)。陽圧気胸と両側換気による胸腔鏡下腹臥位食道切除は,右肺の自然脱気による虚脱により肺の圧排が不要で,術野に血液が貯留せず良視野で手術が可能である。しかし,腹臥位食道手術では反回神経麻痺を認めやすく,そのほとんどが左反回神経麻痺である。これは,左上縦隔では椎骨と気管の間に食道がはまり込んでいるため術野の確保が困難であり,神経の過伸展をきたしやすいことに起因する可能性が高い。さらに,左反回神経リンパ節(No.106recL)と食道や気管を栄養する血管が左反回神経を取り巻いて存在している解剖学的特徴も郭清手技を難しくしている。
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