特集 誌上ディベート肝胆膵外科におけるcontroversial surgery
2.肝細胞癌に対する腹腔鏡下肝切除のfirst choice 1)系統的肝切除の立場から
池田 哲夫
1
,
木村 光一
2
,
工藤 健介
2
,
山下 りさこ
2
,
別府 理智子
2
,
篠原 徹雄
2
1九州大学先端医療イノベーションセンター/福岡歯科大学総合医学講座内視鏡センター
2福岡歯科大学総合医学講座内視鏡センター
キーワード:
腹腔鏡下肝切除
,
系統的肝切除
,
肝結合組織立体構造
Keyword:
腹腔鏡下肝切除
,
系統的肝切除
,
肝結合組織立体構造
pp.266-271
発行日 2019年3月15日
Published Date 2019/3/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000001085
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肝切除術は肝細胞癌(hepatocellular carcinoma;HCC)治療の最も根治的な手技である。また,日本肝臓学会から発表された『肝癌診療ガイドライン2017年版』1)において,「最も強力な予後因子に門脈侵襲がある。したがって,腫瘍の局在領域を支配する門脈の走行を考慮して,肝切除をすべきである」と明記されている。肝癌は門脈血流にのって,担癌門脈域に転移しやすいという特性をもつため,微小肝転移を主腫瘍とともに除去することにより,再発抑制効果が期待される。系統的切除は癌の根治性を追求した手術であり,部分切除に比較して好ましい切除法とされてきた。つまり,HCCの系統的切除の長所はより大きな外科的なマージンを通して肝内転移を一掃できることにある。
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