増刊号 早わかり縫合・吻合のすべて
4章 術式別の縫合・吻合法
胃
【幽門側胃切除術】Billroth Ⅰ法再建での残胃-十二指腸吻合—腹腔鏡下:デルタ吻合
江原 一尚
1
,
伊藤 謙
1
,
柴本 美彩子
1
,
川上 英之
1
,
武智 瞳
1
,
山田 達也
1
,
川島 吉之
1
Kazuhisa EHARA
1
1埼玉県立がんセンター消化器外科
キーワード:
デルタ吻合
,
腹腔鏡手術
,
胃癌
Keyword:
デルタ吻合
,
腹腔鏡手術
,
胃癌
pp.153-159
発行日 2020年10月22日
Published Date 2020/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407213134
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日本における腹腔鏡下胃切除は1991年に報告されて以来,その症例数は増加しており,幽門側胃切除の48%の症例が腹腔鏡下に行われているとされる1).さらに胃癌治療ガイドライン2)の速報版では,cStage Ⅰ胃癌に対する外科的治療の選択肢として腹腔鏡下胃切除術が推奨となったこともあり,今後さらなる症例数の増加が見込まれる.その一方で,腹腔鏡下胃切除術の術後合併症1,800例のうち,463例(25.7%)が吻合部関連であることは,看過できない事実である1).本稿で取り上げるデルタ吻合は,Kanayaら4)が考案した体腔内でのBillroth Ⅰ法吻合であり,残胃後壁と十二指腸後壁を機能的端々吻合する簡便かつ安全性の高い手技である.吻合が1か所でシンプルな手技であること,内ヘルニアのリスクが低く,術後の胆道へのアプローチが容易であることから,当院では腹腔鏡およびロボット支援下幽門側胃切除後の再建において第一選択としている.これまで400例以上行ってきたデルタ吻合の経験から,その手技と操作上注意すべきポイントについて解説する.
*本論文中、[▶動画]マークのある図につきましては、関連する動画を見ることができます(公開期間:2025年10月末まで)。
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