手術手技
腹腔鏡下直腸切断術における腹腔鏡下後腹膜経路ストーマ造設法(laparoscopic extra-peritoneal sigmoid colostomy;LEPS)
髙橋 広城
1
,
前田 祐三
1
,
大久保 友貴
1
,
社本 智也
1
,
田中 達也
1
,
瀧口 修司
1
1名古屋市立大学消化器外科
キーワード:
腹腔鏡下直腸切断術
,
ストーマ
,
後腹膜経路
Keyword:
腹腔鏡下直腸切断術
,
ストーマ
,
後腹膜経路
pp.1281-1284
発行日 2018年7月15日
Published Date 2018/7/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000000792
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直腸切断術におけるストーマ造設に伴う合併症としてストーマ傍ヘルニアやストーマ脱出,内ヘルニアなどが報告されている。これらの合併症を軽減するために,古くからストーマ造設経路としては腹腔内経路よりも後腹膜経路が推奨されている1)。近年の腹腔鏡手術の進歩に伴い,直腸切断術においても腹腔鏡手術が普及してきているが,この腹腔鏡下直腸切断術において,後腹膜経路によるストーマ造設はその手技の煩雑さから敬遠されがちであり,腹腔内経路でのストーマ造設が増えているように思われる。しかし,最近のわれわれのデータでは,腹腔鏡下直腸切断術においても後腹膜経路のほうが腹腔内経路よりもストーマ傍ヘルニアの発生率が低くなっており,Hinoら2)やHamadaら3)も同様の報告をしている。ただ,この手技の問題点として,手術手技が定型化されておらず,各施設が開腹手術の際に行っている方法を適宜変更しながら行っていることが挙げられる。これまでの術式の問題点としては,腹腔側から腹腔鏡下に観察をしつつ腹膜前腔を鈍的剥離することにより,出血の有無や十分なスペースが剥離できているかについての確認ができないことが挙げられ,新たな術式の開発が必要であった。
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