特集 虫垂疾患に対する腹腔鏡手術
虫垂疾患の鑑別と手術適応
斉田 芳久
1
,
長尾 さやか
1
,
横内 幸
2
1東邦大学医療センター大橋病院外科
2東邦大学医療センター大橋病院病理診断科
キーワード:
虫垂
,
急性虫垂炎
,
虫垂腫瘍
Keyword:
虫垂
,
急性虫垂炎
,
虫垂腫瘍
pp.1203-1207
発行日 2018年7月15日
Published Date 2018/7/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000000781
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虫垂は,草食動物では食物繊維の消化や小腸における腸内細菌叢の維持などの役割を担い,臓器としても大きなものであるが,ヒトにおける虫垂の大腸全体に占める割合は1%程度である。機能も詳細は不明であり,親知らずや体毛と同じように,かつては必要とされていたがヒトではなくても問題のない器官と考えられていた。しかし,最近の米国の研究では,虫垂は現在でもヒトの体内で限定的な形ながら免疫細胞の反応を促し,有益な腸内細菌(善玉菌)が減少するとこれを増やすという二次的な免疫機能を担っていることが示唆された1)。今後,研究が進めば新たな役割が明確になる可能性もある。
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