Japanese
English
症例
原因遺伝子に変異を認めたOsler病疑い例に合併した限局皮膚硬化型全身性強皮症の1例
Limited cutaneous systemic sclerosis associated with possible Osler disease with the endoglin gene mutation
中野 純二
1
,
専徳 健太
1
Junji NAKANO
1
,
Kenta SENTOKU
1
1徳山中央病院,皮膚科(主任:中野純二主任部長)
キーワード:
限局皮膚硬化型全身性強皮症
,
Osler病
,
endoglin遺伝子(ENG)変異
,
毛細血管拡張
,
TGF-βファミリーシグナル伝達系
Keyword:
限局皮膚硬化型全身性強皮症
,
Osler病
,
endoglin遺伝子(ENG)変異
,
毛細血管拡張
,
TGF-βファミリーシグナル伝達系
pp.1609-1612
発行日 2025年11月1日
Published Date 2025/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000005486
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76歳,女性。手指および胃粘膜の多発性血管拡張とendoglin遺伝子(ENG)変異(イントロン2,c.220-1G>A)を認めたOsler病疑い例に,限局皮膚硬化型全身性強皮症を合併した症例を報告した。Osler病および強皮症にみられる毛細血管拡張はいずれもTGF-βファミリーシグナル伝達系の異常によるもので臨床的には鑑別不能である。前者は蛋白異常,後者は高濃度血清可溶性ENGによる伝達障害によると考えられている。自験例の遺伝子変異はOsler病の原因遺伝子変異と考えられ,血管病変はOsler病の症状と考えられた。Osler病の診断および強皮症との鑑別,合併の判定のため,臨床所見のほかに遺伝子解析や血清可溶性ENG値などを加えた,より感度・特異度の高い診断基準の確立が望まれる。

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