Japanese
English
症例報告
皮膚症状から診断したOsler病の1例
A case of Osler disease diagnosed from dermatological features
片山 絢子
1
,
松本 圭子
1
,
武藤 潤
1
,
佐山 浩二
1
Ayako KATAYAMA
1
,
Keiko MATSUMOTO
1
,
Jun MUTO
1
,
Koji SAYAMA
1
1愛媛大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Ehime University School of Medicine, Toon, Japan
キーワード:
Osler病
,
遺伝性出血性毛細血管拡張症
,
肺動静脈瘻
Keyword:
Osler病
,
遺伝性出血性毛細血管拡張症
,
肺動静脈瘻
pp.843-848
発行日 2021年10月1日
Published Date 2021/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206484
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要約 54歳,男性.2015年頃より週に1回以上鼻出血があり,2016年頃より労作時の息切れを自覚していた.2017年頃から頭部,顔面に紅色丘疹を自覚し,緩徐に増数した.2019年6月に別の主訴で当科を受診した際に頭頸部,手指爪床の紅色丘疹と家族歴などからOsler病が疑われた.生検の病理組織で真皮に1層の内皮細胞で構成され拡張した血管を認め,Osler病と診断した.全身検索を行い,著明な貧血と鼻腔および十二指腸に血管病変を認めた.また,CT検査で肺動静脈瘻と肝血管奇形を認め,肺動静脈瘻に対しては可及的にコイル塞栓術が施行された.以降,息切れの症状は改善し,貧血も鉄剤内服後に改善した.Osler病は遺伝性出血性毛細血管拡張症とも呼ばれ,脳,肺,肝臓,消化管などの内臓病変を伴い,重篤な感染症を併発すると予後が悪化する場合がある.頭頸部,四肢末端の紅色丘疹からOsler病を疑った場合は,全身検索を行い,各臓器の治療適応について検討する必要がある.
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