連載 医療安全のこれから・1【新連載】
医療安全再考(前編)―遅すぎた革命から,これからの革命へ
長谷川 敏彦
1
1日本医科大学
pp.640-643
発行日 2013年8月1日
Published Date 2013/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541102590
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あれから15年弱が過ぎた.当時,2つの大学病院のありうべからざる事件によって,医療事故は社会の問題となった.そしてそれから数年後には,全国に医療安全の体制が整えられはじめ,事故の予防は医療界のみならず社会の課題となった.この間,いったい「何が起きたのか?」.国をあげての取り組みは効を奏したのだろうか.確かに医療事故関連の新聞記事は急増した2005年頃をピークに減少に転じ1),医療関連訴訟もこの数年減少に転じている.しかし現場での事故は減少しているのだろうか.
実はこの15年は同時に病院経営が大転換した期間でもあった.私たちは何に取り組み,何を達成し,何をいまだ成し遂げえていないのだろうか? つまり,いま「何が起きているのか?」
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