濾胞性リンパ腫に合併したInsect Bite-like Reactionの1例

Insect bite-like reaction associated with follicular lymphoma

70歳台，女性。濾胞性リンパ腫に対する化学療法中に四肢に水疱が出現し，当科を受診した。背部，四肢に軽度浸潤を触れる3cm大までの紅斑が散在し，下肢には緊満性水疱やびらんを認め，強い瘙痒を伴っていた。抗BP180抗体は陰性であった。虫刺症を疑ったが難治のため，皮膚生検を施行するも蛍光抗体直接法で有意な所見はみられなかった。Insect bite-like reactionと診断し，プレドニゾロン10mg内服で軽快した。Insect bite-like reactionは，血液悪性疾患と関連するまれな疾患で，虫刺症と区別のつかない皮疹を生じる。血液悪性腫瘍患者に瘙痒を伴う紅色丘疹や水疱を生じた場合には鑑別にあげる必要がある。