特集 頸部・項部の皮膚病
臨床例
頭頸部に痒疹様結節が多発したinsect bite-like reaction
山崎 まりな
1
,
結束 怜子
,
加藤 恒平
,
片桐 一元
1獨協医科大学埼玉医療センター 皮膚科
キーワード:
Prednisolone
,
頸部
,
腫瘍多剤併用療法
,
昆虫刺傷
,
鑑別診断
,
生検
,
頭皮疾患
,
経口投与
,
白血病-慢性B細胞性
,
致死的転帰
,
Rituximab
,
Bendamustine
,
結節性痒疹
Keyword:
Bendamustine Hydrochloride
,
Rituximab
,
Administration, Oral
,
Antineoplastic Combined Chemotherapy Protocols
,
Biopsy
,
Diagnosis, Differential
,
Insect Bites and Stings
,
Neck
,
Prednisolone
,
Scalp Dermatoses
,
Leukemia, Lymphocytic, Chronic, B-Cell
,
Fatal Outcome
pp.285-288
発行日 2018年3月1日
Published Date 2018/3/1
DOI https://doi.org/10.24733/J01268.2018202428
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<症例のポイント>自験例は強いそう痒を伴う痒疹様の小結節が頭部、顔面に多発し、種々の治療に抵抗性であった。病理組織像では多数の好酸球と密なリンパ球浸潤があり、chronic lymphocytic leukemia(以下、CLL)患者に生じたinsect bite-like reactionと診断した。insect bite-like reactionは、主としてB細胞系血液腫瘍に生じる非特異疹であり、痒疹様の結節や小水疱を生じる臨床像と病理組織像ともに虫刺症に類似し、自験例は典型例といえる。本症例は下肢に多いと報告されているが、頭頸部も好発部位である。その一方で、痒疹が頭頸部に出現することは比較的少ない。血液腫瘍に皮疹が先行することもあり、頭頸部の痒疹の鑑別診断として本症の存在を念頭に置く必要がある。過去の症例では血液腫瘍に対するステロイドが含まれた化学療法が皮疹に有効とされるように、自験例でもプレドニゾロン(以下、PSL)20mg/日の内服はやや有効であった。さらに、リツキシマブを含む化学療法により皮疹は消失した。
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