巻頭言
Dermatologic Oncologistを志す先生方へ
髙橋 聡
1
Akira TAKAHASHI
1
1国立がん研究センター東病院皮膚腫瘍科,科長
pp.1043-1044
発行日 2024年7月1日
Published Date 2024/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000004656
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- 文献概要
私事ではありますが,2002年に国立がんセンター中央病院(現国立がん研究センター中央病院)のレジデントとして研修を受けてから,20年以上がん治療を専門としてきました。メラノーマをはじめとする皮膚悪性腫瘍は少し前まで手術以外治療法が進歩せず,治療といえば “Surgery, Surgery and Surgery” であると言われていました。そのため,以前は病状が進行してご紹介いただいた患者さんに対して,有効な治療法がなく,患者さんに申し訳ないと思う一方,言い方は悪いですが,ときに敗戦処理班のような気持ちになったこともあります。そのような時代が長く続いた訳ですが,長年の研究成果が実り,近年,免疫チェックポイント阻害薬や低分子性分子標的薬といった薬物治療の承認により,治療は飛躍的に進歩し,より有効な治療を患者さんに提供することができるようになりました。そして,これら新薬の開発は現在も盛んに行われています。これに伴って皮膚がん治療のためにはDermatologistではなく,Dermatologic Oncologistとしての専門的な知識や総合的な技術が必要になってきたと思います。
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