Japanese
English
特集 生活習慣が関連する皮膚疾患
症例報告
体重増加に伴い発症した融合性細網状乳頭腫症の1例
Confluent and reticulated papillomatosis associated with body weight gain
藏野 美夏
1
,
羽鳥 由夏
1
,
伊藤 美佳子
1
,
小林 桂子
1
Mika KURANO
1
,
Yuka HATORI
1
,
Mikako ITO
1
,
Keiko KOBAYASHI
1
1水戸赤十字病院,皮膚科(主任:小林桂子部長)
キーワード:
細網状乳頭腫症
,
癜風
,
肥満
,
体重増加
,
ミノサイクリン
Keyword:
細網状乳頭腫症
,
癜風
,
肥満
,
体重増加
,
ミノサイクリン
pp.1623-1626
発行日 2023年10月1日
Published Date 2023/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000004190
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21歳,女性。初診1年前より17.5kgの体重増加があった。6カ月前より腹部に網状の茶褐色斑や丘疹が出現し,前胸部と肘窩に鱗屑を伴う紅斑が出現した。病理組織検査では,表皮に乳頭腫症の増殖,過角化を認め,真皮浅層と血管周囲にリンパ球主体の炎症細胞浸潤がみられ,融合性細網状乳頭腫症と診断した。ケトコナゾールの外用後より胸部の鱗屑や褐色紅斑は改善し,色素斑に変化した。ミノサイクリン200mg/日内服と尿素クリーム外用を開始後,角化性丘疹はほぼ消退し,色素沈着は徐々に退色した。肥満に伴って形成された皺襞が細菌の繁殖に適した環境となり,皮疹の発生に関与したという仮説が以前よりあげられており,自験例でもその仮説に合致する臨床像であった。
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