Japanese
English
症例
急速に血液が貯留した動脈瘤様線維性組織球腫の1例
Aneurysmal fibrous histiocytoma with rapid blood retention
井渕 善聖
1
,
山本 寛也
2
,
藪野 雄大
2
,
長田 真一
1
Yoshiaki IBUCHI
1
,
Hiroya YAMAMOTO
2
,
Yuto YABUNO
2
,
Shin-Ichi OSADA
1
1日本医科大学多摩永山病院,皮膚科(主任:長田真一准教授)
2同,形成外科
キーワード:
動脈瘤様線維性組織球腫
,
aneurysmal fibrous histiocytoma
,
皮膚線維腫
Keyword:
動脈瘤様線維性組織球腫
,
aneurysmal fibrous histiocytoma
,
皮膚線維腫
pp.1411-1414
発行日 2023年8月1日
Published Date 2023/8/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000004116
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66歳,男性。初診の4カ月前に,左足関節部に常色で5mm大の結節が出現した。2カ月前から増大し紅色調を帯びてきたため,精査加療目的に当科を受診した。腫瘍は急速に増大して暗紅色調を呈し,被覆表皮は菲薄化し出血するようになったため切除した。病理組織学的に,紡錘形の腫瘍細胞が花むしろ状に増殖し,血管内皮細胞に覆われない血液充満像が多数みられ,免疫組織化学染色の結果とあわせ動脈瘤様線維性組織球腫と診断した。動脈瘤様線維性組織球腫は皮膚線維腫の亜型で,暗紅色調を呈してきた場合は腫瘍内で小血管が破綻し,組織内血液が急速に貯留した可能性がある。血流の多い腫瘍をみた場合は動脈瘤様線維性組織球腫を鑑別にあげ,診断,治療を進める必要がある。
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