Japanese
English
症例
痔瘻癌の1例
Mucinous Adenocarcinoma Arising from Perianal Fistula
船水 薫
1
,
林 伸和
1
Kaoru FUNAMIZU
1
,
Nobukazu HAYASHI
1
1虎の門病院,皮膚科(主任:林 伸和部長)
キーワード:
痔瘻癌
,
粘液癌
,
痔瘻
,
潰瘍
,
慢性炎症
Keyword:
痔瘻癌
,
粘液癌
,
痔瘻
,
潰瘍
,
慢性炎症
pp.1129-1132
発行日 2018年6月1日
Published Date 2018/6/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000000833
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71歳,男性。30年前から外痔核がある。1年前から肛囲に結節が出現した。次第に増大し,出血を伴った。初診時,左臀部肛門脇に26mm大の潰瘍を認め,その皮下に12×7cm大の硬結を触知した。硬結の表面皮膚には2カ所の陥凹した瘢痕があり,潰瘍の陰囊側に肉芽形成を伴う開口部を認めた。病理組織学的には,異型な円柱上皮からなる囊腫構造があり,豊富な粘液を伴っていた。痔瘻癌と診断し,腹腔鏡下直腸切断術,左側方リンパ節郭清術および筋皮弁による会陰部再建を行った。術後3年経過し再発はない。痔瘻癌は,管外性に増大すると皮膚腫瘍として受診することがあるため,肛囲の潰瘍を伴う腫瘤の鑑別として注意が必要である。
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