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増刊号特集 最近のトピックス2021 Clinical Dermatology 2021
3.新しい検査法と診断法
掌蹠膿疱症と異汗性湿疹(汗疱)との病理組織学的な相違
Histopathological differences between palmoplantar pustulosis and pompholyx
黒木 香奈
1
Kana KUROKI
1
1東京医科大学皮膚科
1Department of Dermatology, Tokyo Medical University, Tokyo, Japan
キーワード:
初期水疱
,
水疱内膿疱
,
海綿状態
,
微小膿瘍
,
単核球
Keyword:
初期水疱
,
水疱内膿疱
,
海綿状態
,
微小膿瘍
,
単核球
pp.70-74
発行日 2021年4月10日
Published Date 2021/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206335
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掌蹠膿疱症(palmoplantar pustulosis, pustulosis palmaris et plantaris:PPP)と異汗性湿疹(汗疱,dishydrotic eczema, pompholyx)は,ともに掌蹠に生じる慢性難治性皮膚疾患であり,しばしば臨床的に鑑別困難な症例に遭遇する.そのため,これまでにさまざまな鑑別方法が議論されてきたが,近年両疾患の病理組織を詳細に観察し,「水疱周囲に海綿状態を伴うかどうか」「水疱・膿疱の辺縁上端部に微小膿瘍を伴うかどうか」という点に着目することが鑑別に有用であることがわかった.PPPと異汗性湿疹は,どちらも日常診療において比較的よく遭遇する疾患である.どちらも長い経過で軽快増悪を繰り返すことが多く,非典型例では臨床的に鑑別が困難である場合がある.その場合には,積極的に皮膚生検を行うことも診断に有用である.
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